投稿日:2021年2月23日
中学2年生のみなさんは、中学卒業後の進路について、具体的に考え始めている頃でしょうか。今回は、中学1年生、2年生のみなさんが、どんなことに注目して進学先を選べば良いのか、高校選びのヒントをまとめました。
最初は漠然とでもいいので、自分は何に興味があるのか、将来どうなりたいのか、この機会にじっくり考えてみましょう。
1. 何を学びたい?卒業後はどうしたい?
まだ高校に入学もしてないのに、さらにその先のことなんて分かんねぇよー、と言われてしまいそうですが、高校選びでは、高校卒業後の進路を考えることがすごーーく大切です。なぜなら、高校は中学と違い、選択する学科によって、学べることが違うからです。高校で何を学ぶかによって、高校卒業後の進路も変わってきます。
高校の学科は、大きく分けて三種類あります。「普通科」、「専門学科」、そして「総合学科」です。
普通科
中学校と同じ9教科をまんべんなく学習します。
専門学科
全授業の約1/3以上は、選択した学科の専門科目を学習します。実験や実習を中心に専門性を高めます。専門学科の中には、以下の2つがあります。
職業に関する学科 (工業科、商業科、農業科など)
専門教育学科 (理数科、探求科など)
総合学科
普通科と異なり専門科目を選択して学習することができますが、専門学科のように全授業の約1/3以上専門科目を履修しなければならない縛りがありません。
学科ごとの進路比較
普通科と専門学科の学科別の進路比較。総合学科は、単位制により、学びたいことを生徒自身が選択するため、何を選択するかで進路が変わってきます。
普通科 |
専門学科 |
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職業に関する学科 |
専門教育学科 |
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進路 |
約80%の生徒が大学、短大、専門学校へ進学
|
・選択した専門分野に関連する大学、短大、専門学校への進学 (指定校推薦あり) ・卒業後就職する生徒も多い |
・多くは4年制大学へ進学 ・国公立大学や難関私立大学への進学も多い |
向いている人 |
・高校では幅広く学び、大学や専門学校へ進学したい人 ・幅広い学科への進学の可能性を残しておきたい人 |
・興味のある分野の専門知識を、高校生のうちから深く学びたい人 ・卒業後、高校で学んだことに関連する大学、専門学校等へ進学したい人 ・卒業後、高校で学んだことを活かし就職したい人 |
・基本事項をしっかり学びつつ、実習などを通し、論理的思考力等を育みたい人 ・将来、よりハイレベルな大学進学を目指したい人 |
2. 高校の場所を知る
多くの生徒は、今住んでいる家から自力で通学すると思います。そうなると、おのずと通える高校が限られてきます。その一方で、やりたいことがはっきりしていて、近くにそれを学べる高校がない場合は、寮に入ったり、通信教育で学んだりという選択もあります。まずは、家から通える範囲にどんな高校があるのか、調べてみましょう。
3. 特色や部活動を知る
高校でも部活動を頑張りたい生徒にとっては、どの高校に何の部活があるかも大切ですね。また、高校によっては、 大学や研究室、企業などで行う「校外研修」 や海外での「研修旅行」など、高校独自の取り組みもあります。教科の勉強以外で何が出来るかも調べてみましょう。
4. 入試制度を知る
山梨県の公立高校の入試は、大きく「前期入試」と「後期入試」の二つに分かれています。
前期入試はすべての全日制高校で実施され、前期定員は全募集人数の10%~50%程度です。その割合は高校・学科により異なりますが、職業に関する専門学科の方が前期定員の割合が高い傾向です。
また、前期入試と後期入試では、行われる入試の内容も大きく異なります。
前期入試
5教科のテストは行われず、面接のほか、特色適正検査、特技、個性表現などと、中学の成績を記した調査書(内申書)などの資料をもとに合否が決まります。 前期募集の内申点の計算では、特定の教科に比重を置いたり、中3の評価を2倍にするなど、選択する高校やコースにより計算方法が異なります。
1人1校1学科のみ出願でき、前期で入学が内定すると、後期には出願できません。出願条件は学校により異なりますが、大きく以下の2つの区分があります。
A: 中学の学習成績が優秀で、入学後も進路実現の努力を継続する生徒
B: スポーツ、文化活動の実績があり、入学後も継続して活動する
後期入試
入試当日に受ける5教科のテストの点数(当日点)と、中1から中3までの9教科の学校の成績(内申点)が同等に評価され、その合計点で合否がきまります。
当日点 5教科(500点満点) |
+ |
内申点* 9教科(330点)+α |
* 内申点と当日点を同等に評価
後期入試の半分を占める内申点は、毎回の定期テストや小テスト、日々の提出物などで決まります。また、成績を内申点に換算する際は、当日テストのある5教科は2倍、当日テストのない4教科(美術、体育など)は3倍で計算されます。1年生のうちから、5教科だけでなくすべての教科を頑張っておきましょう。
また、内申点では「特別活動の記録」などについても、30段階で評価され加算されます。例えば、生徒会活動や英検などの検定結果がここに入りますが、何を加点対象とするかは高校ごとに異なります。
5. 今の実力と比べてみる
そして、やっぱり気になるのは、今の実力で行けるかどうか、難しい場合にはどれくらい頑張ればいいのか、ですよね。いきなり現状の成績から行ける高校を選択してしまう人も多いですが、挑戦する前から可能性をつぶしてしまうのはとてももったいないです。
自分の可能性を信じて、将来何をしたいか、どんな風になりたいかを考えてみましょう。「こうしたい!」、「こうなりたい!」という強い思いがあれば、それを実現する方法はいろいろと考えられます。高校選択は、将来の目標に向かって歩み始める最初の一歩です。
目標実現のために、「何を」「どう」頑張ったら良いのか、先輩や先生の意見も聞きながら具体的に考えてみましょう。