中学に入る前にやっておきたい英語の勉強

投稿日:2023年3月21日

 

中学英語、何をしておけばよい?

桜も咲き始め、小中学生の皆さんはもうすぐ春休みですね。4月から中学生になる子は、中学の勉強についていけるか、少し不安に思っているかもしれませんね。

 

特に昔に比べ学習内容が大きく変わってしまったのが英語です。「数学や社会は教えられるんですが、英語はどうしてよいか・・」と言われる保護者の方も多くいらっしゃいます。

 

そこで今回は、中学入学前に知っておくと得する英語の「スペルと音の関係」についてご紹介します。

 

英語の「スペルと音の関係」

中学英語で、多くの生徒がつまずくポイントの一つが「英単語の読み書き」です。

 

日本語は、かな文字と音がほぼ一対一の関係になっていますので、かな文字の読みで悩むことはありません。ところが英語は、同じアルファベットでも複数の読み方があり、さらにアルファベットの組み合わせによっても読み方が変わります。

 

そのため、「英単語を読めない」、「英単語を言えるけどスペルが書けない」ということが起こります。

 

ですが実際には、英語にもスペルと音の間に一定の関係があります。

 

例えば英語では、日本語の「ア」に近い音が複数あります。「アとエの中間のア」は「a」と書かれることが多く、「強く短く言うア」は「u」や「o」になることが多いです。

発音記号と読み方

スペル

 単語の例

ӕ

アとエの中間の音 (ェア)

a

apple, cat, cap, bag, piano, hat, fan

ʌ

強く短く言う (ア)

u

up, cup, cut, run, fun, sun, bus, study

o

come, some, son, color, mother, month

※ カタカナは参考です。

 

他にも「黙字」と言い発音されないスペルがあったり、「a」= ei(エイ) のようにアルファベットの読み方で発音されるものがあったりします。

 

多くの生徒が苦労する単語の1つに「write (ライト) = 書く」があります。この単語のように、「wr」というスペルの時「w」は発音されません。「i」はアルファベット読みで「ai (アイ)」となり、アルファベット読みの後ろに続く最後の「e」は発音されなくなります。

 

これらのルールを知っていれば、「write」を読むときは最初の「w」と最後の「e」を無視して、「i」はアルファベット読みの「ai(アイ)」なのでw rait e → ライト!とスペルから読みを連想しやすくなります。

 

知っていると得するルールの例

英単語のスペルと音の間には他にもたくさんのルールがあります。例外も多くありますが、特に「読みにくい単語」や「読みからスペルを連想しずらい単語」に関するルールを知っておくことで、英単語の読み書きが圧倒的に楽になります。

 

スペルと音のルールの例

スペル

発音記号と読み方

単語の例

a

ei

エイ (アルファベット読み)*

table (テェィブル), cake (ケェィク), game (ゲェィム), name (ネェィム)

i

ai

アイ (アルファベット読み)*

nice (ナァィス),  nine (ナァィン), fine (ファィン), kind (カァィンド)

ai

アイ

my (マァィ),  by (バァィ),  try, (トゥラァィ), cycling (サァィクリング)

i

boy (ボ), happy (ハピ), gym (ジム), busy (ビズ)

ea

i:

イー

eat (イート), read (リィード), speak (スピィーク), tea (ティー), teach (ティーチ), sea (スィー)

oo

u / u:

または ウー

book (ブク), look (ルク), cook (クク), moon (ムゥーン), zoo (ズゥー), school (スクゥール)

ou

ʌ

(強く短く言う)

cousin (カズン), young (ヤング), touch (タチ), country (カントゥリィ)

au

アゥ

cloudy (クラァゥディ), mouth (マァウス), house (ハァゥス), our (アゥア)

ir

ə́ːr

アー

bird (バァード),  birthday (バァースデー), girl (ガァール), first (ファースト), third (サァードゥ)

*アルファベット読みの母音字 (a,i,u,e,o) の後ろが、(子音字) + e で終わっている時、最後の「e」は発音しません。

※ カタカナは参考です。

 

これらのルールを知り「あぁ、だからこの単語はこう発音するんだぁ!」、「この音はこう書けるんだぁ!」と新しい気づきを得られれば、英単語の学習が今より楽しくなるかもしれませんね。

 

単語はいきなり書かないで!

とは言え「さぁ単語の練習をしておこう!」といきなり書きだすのはちょっと待ってください!

 

何かを覚える時に「書いて覚える」のは効果的な方法ですが、英単語の場合は遠回りになってしまうかもしれません。せっかくスペルと音の間に関係があるのですからそれを利用しない手はありません。

 

中学入学前の英単語の学習には、中学の教科書を使うのがおすすめです。「開隆堂 SUNSHINE 1」の巻末資料➇ (P142〜144)に小学校で学んだ単語(500語弱)が掲載されています。これらは教科書本文で使用されることも多い特に重要な単語です。

 

まず教科書のP142 (英単語と日本語訳が書かれたリスト)を開きます。そして単語の書きの練習を始める前に、以下をやっておきましょう。

英語から日本語

 (1) 日本語訳を隠す

 (2) 英単語を読む

 (3) 日本語訳を言う

日本語から英語

 (1) 英単語を隠す

 (2) 日本語訳をみて英単語を言う

※ 読み方が分からない時は、小学校の教科書の別冊「Picture Dictionary」についているQRコードから確認するといいでしょう。

 

読めない単語はなかなか覚えられません。まずはしっかり読めるようにすることが単語学習の近道です。そして日本語を見てちゃんと英単語を言えるようになったら、最後に英単語を書いてみましょう。正しく言えるだけで迷わず書けるようになる英単語もたくさんあるはずです。

 

もし保護者の方がお子さんと一緒に勉強する時間をとれるなら、ゲーム感覚で「英単語を見て日本語の意味を当てる」、「日本語をみてそれを英単語に言い換える」など、いくつ正解できるか一緒にやってみるのもいいかもしれませんね。